記録 #水槽

水槽は建物の南側にずれ出ている。一定時間になると太陽は水面に反射し、建物の内部を光で幻想的な世界に変える。水槽側から建物には入れず、内部を覗き込むと反対側から入れることに気づく。内部は一人分の設計だ。窓も音もない。何より直接、水面に反射した光が眩しく、強い刺激にさらされる。
自分以外の人の内側を見ようとする時、自身に置き換えて推測しているに過ぎない。自身の内面にある感覚は自分以外の人の見え方を想像する上で役立つが、
なんとなく同じものと認識しても実際には色も味も匂いも音も全く違うかもしれない。そこに答えはない。
自身の内面に存在している唯一リアルで強烈な感覚は誰とも異なるものだろう。誰も共感し得ない。
