記録 #箱

広場に置かれた箱には一人分の隙間があり、その不愛想な入り口は、却って冒険心を誘って人を闇へと引き込む。中では振り返る動作をくり返すうちに、方向感覚を失うようだ。壁に突き当たって辺りを見回すが、特に何もない。ふと見上げると、箱によって絞られた小さな空に、普段は気にもしなかった雲の形と、その変化の速さが目にとまった。
闇へと一歩を踏み出す切っ掛けは、その先に予想した結果への期待感、思い込みだったが、踏み込んだ先の結果は何もないかもしれない。広場は、ひらけた広い視野を表している。人はその広い視野の中から、やがて自分なりの思い込みを抱くようになる。思い込みは原動力でだ。そして「方向感覚を失う」で表しているように、その思い込みが解け、自分を失うことがあるが、違う角度から見た、ふとした時に新しい発見がある。
